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知事メッセージ

  6,400名を超える尊い命を奪い、私たちのふるさと兵庫に深い傷跡を残した阪神・淡路大震災から10年が経過しました。
この間、被災地では、内外から多くの支援や励ましをいただきながら、阪神・淡路震災復興計画のもと、成熟社会にふさわしい「創造的復興」をめざして懸命の努力を続けてきました。
その結果、被災地の街並みは新しく生まれ変わり、人口も震災前を上回るなど、復興の歩みは概ね順調に進んでいます。皆様に心から感謝申しあげます。

阪神・淡路大震災とその後の10年間の取り組みは、21世紀の社会づくりにつながる3つの意義があったと考えています。


兵庫県知事 井戸敏三


一つは、災害を総合的に捉え、平素から減災を考え、取り組みを進める「災害文化」が生まれてきたことです。
二つには、大震災が高齢社会下の直下型地震であったことから、被災高齢者の生活再建や住まいの復興などを通じて、高齢社会のモデルとなる取り組みが進んだことです。
三つには、成長社会から成熟社会への転換期にあって、「人と人との支え合い」の大切さを改めて学びながら、ボランタリー活動やコミュニティビジネスなど21世紀の成熟社会を支える先導的なしくみが生まれ、広がりつつあることです。

震災の経験と教訓を全国、そして世界へと発信し、安全・安心な社会の構築に役立てていくことこそ、内外から数多くのご支援をいただいた被災地の責務だと言えましょう。
この10年間、何ができ、何ができなかったのか。復興10年総括検証では、「安全で安心なまちづくり」「共生社会の実現」を今後の社会づくりの目標像とする459項目の提言をいただきました。こうした検証結果を踏まえ、残された課題の解決に取り組みながら、被災地で生まれた新しい仕組みを大きく育てていかなければなりません。
住宅の再建こそ生活再建の基盤との教訓のもと、兵庫県独自の住宅再建共済制度を2005年9月にもスタートさせます。多くの県民の皆さんに加入を働きかけつつ、全国制度化をめざしていきます。また、1月17日を「ひょうご安全の日」として定め、被災地ウォークやつどい、県内各地での防災訓練、防災教育に係る顕彰などを通じて、震災を忘れることなく、県民参画による安全・安心な社会づくりをめざす取り組みを進めていきます。

1月に神戸で開催された「国連防災世界会議」では、「兵庫宣言」「兵庫行動枠組」が定められ、各国が協力して減災対策にあたることが表明されるとともに、本県が提唱していた「国際防災復興協力センター」が神戸に設置されることとなりました。
昨年末に生じたスマトラ島沖地震と津波による大惨事など、世界各地で自然災害による被害が相次ぐ今こそ、21世紀の人類社会に共通の課題である防災対策に、私たちはあらゆる努力を尽くさなければなりません。

兵庫から世界へ。私たちの経験と教訓が、将来の自然災害からの被害軽減に少しでも役立てられることを心から願います。